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注釈書・単行本など 詳細
日本語の歴史 6
主格助詞「ガ」の千年紀
書名かな | にほんごのれきし ろく しゅかくじょし「が」のせんねんき |
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著者(編者)名 | 柳田征司 著 |
著者(編者)名かな | やなぎだせいじ |
ISBNコード | 978-4-8386-0464-7 |
本体価格 | 2,000円 |
税込価格 | 2,200円 |
判型 | 四六判並製カバー装 |
頁数 | 240頁 |
刊行日 | 2016年4月15日 |
在庫 | 在庫あり ※10冊以上購入ご希望の場合には別途ご連絡下さい。 |
目 次
はじめに
一 文法史研究上の中心課題
文法研究の中心課題は構文法である
数詞から連体副名詞へ
代名詞
代名詞の機能
品詞論から構文論へ
古代語の文法と近代語の文法
係り結びの衰退
二 係り結び衰退の原因を解く突破口
係助詞の範囲と種類
一般に説かれる係り結び衰退の原因―連体形終止
裸の已然形の孤立
北原保雄氏の着眼―文中の「カ」「ヤ」の文末への移行
現代共通語の疑問表現
『天草版伊曽保物語』の疑問表現
『竹取物語』の疑問表現
平安初中期の疑問表現と室町末期の疑問表現
三 文中の「ヤ」による疑問表現と文末の「カ」による疑問表現
文中の「ヤ」と文末の「カ」の使い分け
倒置して現代語訳できる例
倒置して現代語訳できない例
文末の「カ」は直前の事柄を疑問の対象としている
『万葉集』の疑問表現
『万葉集』における文中の「カ」と文末の「カ」―要判定の疑問表現
「妹か待つらむ」と「妹待つらむか」
新情報と旧情報
疑問の範囲と疑問の焦点
「今日か越ゆらむ」〈新情報―新情報〉
「夫かあるらむ」〈新情報―新情報〉
「~にかある」
「波か立たむ」と「波立てや」
文中の「カ」と文中の「ヤ」
『竹取物語』の「子安の貝取りたるか」〈旧情報―新情報〉
と「龍の頸の玉や取りておはしたる」〈新情報―旧情報〉
「『大伴の大納言の人や……取れる』とや聞く」
「『光やある』と見るに」〈新情報―新情報〉
後の時代の例
疑問の範囲と疑問の焦点(定義)
古代語の疑問表現と近代語の疑問表現
四 文中の「ヤ」(要判定)「カ」(要説明)による疑問表現の衰退
文中の「ヤ」による疑問表現の衰退―要判定の疑問表現の場合
係助詞と主格助詞「ガ」との相克
文中の「カ」による疑問表現の衰退―要説明の疑問表現
沖縄方言の疑問表現
文中の「ヤ」による疑問表現(すなわち係り結び)衰退後の疑問表現
五 うなぎ文はどこから来たか
疑問表現とうなぎ文
「秋山我は」(『万葉集』)
要選択の疑問表現甲形式における問いと答え
「秋山我は」に対する問いと答え
『源氏物語』(薄雲の巻)の春秋優劣論の問いと答え
要選択の疑問表現乙形式における問いと答え
「秋山我は」に対する問いの表現
要判定の疑問表現における問いと答え
要説明の疑問表現における問いと答え
「春は曙」(『枕草子』)
二重格表現
古代日本語にうなぎ文は存在しなかった
うなぎ文の成立が想定され得るもう一つの経路
外国語のうなぎ文
格助詞の無形とうなぎ文
六 係助詞「ゾ」「ナム」の衰退
主格助詞との相克
沖縄方言の「du」「ru」
主格助詞「ガ」は係助詞を衰退させるほどの影響力を持ったか
七 係り結びの起源
「カ」「ヤ」「ゾ」「ナム」の係り結びの起源―倒置説―
倒置説は妥当でない―〈新情報―新情報〉の場合―
倒置説は妥当でない―〈新情報―旧情報〉の場合―
倒置説は妥当でない―「ゾ」の場合―
「カ」「ヤ」「ゾ」「ナム」の係り結びの起源―注釈(的先行述語)説―
注釈説は妥当でない
「カ」「ヤ」「ゾ」「ナム」とその結び―補足説―
連体形終止文の三種
文中の「カ」による疑問表現形式の成立過程
〈コソ―已然形〉の形成
古くは〈コソ―已然形〉でなかったことの名残り
係り結びにおける結びの意味
八 「コソ」と「ハ」「モ」と副助詞の場合
生きのびた係助詞
「コソ」の生きのび方
「ハ」「モ」が生きのびたわけ
主格助詞「ガ」確立以前と以後の「ハ」
「ヲバ」と「ハ」
沖縄方言の「ガハ」「ガモ」
副助詞の場合
連用成分の構造
準体助詞と副助詞
係助詞
情意的表現から論理的表現へ
九 主格助詞「ガ」の確立
日本語文法史上に起きた最も重大な出来事
主格助詞「ガ」の確立
連体修飾節中の主格表示
〈体言ガ・ノ+動詞句+ゴトク〉と〈見ガ欲シ〉
連用修飾節中に現れる主格助詞「ガ」「ノ」1
連体形終止文に現れる主格助詞「ガ」「ノ」
形容文において主格助詞が確立するもう一つの文脈―サ語法―
連用修飾節中に現れる主格助詞「ガ」「ノ」2
主格助詞「ガ」「ノ」に対して終止形で終わるように見える文
右の問題について考え残していること
後世、「ガ」が主格助詞に、「ノ」が連体格助詞
に用いられるようになるのはなぜなのか
名詞文の「ガ」
対象格「ガ」の出自
「……マクホシ」
「私は母が恋しい」「私は鐘が聞こえる」
「……マクホシ」から「……マホシ」へ
「タシ」がとる格助詞
「ヲ……タシ」から「ガ・ノ……タシ」へ
主格助詞「ガ」の語順
主格助詞「ガ」の使用が遅れる文
喚体文の衰退
おわりに
あとがき